森林は、大きく分けて人工林と天然林に分かれています。天然林は、自然の力を利用して生長し、山火事などで壊滅的な被害を受けない限りあまり人が手を加える必要はありません。
一方、スギやヒノキなどの人工林は、人の手によって植林をします。いったん人が手を入れた人工林は、適切に維持するため永遠に手を加えなければならなくなります。
初めに苗木を密集して植え、成長に合わせて、間引きのように木を切っていきます。これが間伐です。最終的には、1/5程度の本数になります。
間伐の他に枝打ちや下草刈りなどの作業が必要です。いずれも、森の中に日を照らすためのものです。
【何で間伐をする必要があるの?】
適切に間伐が行われない人工林では、密集して植えるため、森の中には日も入らず、木は生命力を失い、十分に根を張ることもできず、ひ弱な森林となります。こうした人工林は、大雨による土砂崩れなどの災害を引き起こします。
また、森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を出してくれるというすばらしい機能があります。
都会で暮らしていると、森林や海や農地の必要性を実感することはあまりないでしょう。でも、農地や海がなければ野菜も、肉も、魚もスーパーの店頭に並ぶことはありません。 森林も同じです。まずは、飲み水。森は降った雨を蓄え、濾過し、おいしく飲める水を川に流します。その水は、飲み水だけでなく生活、さらには産業に使われます。 例えば、紙を作るのにも水が必要になります。水がなければ、私たちは紙を使うこともできなくなるのです。
さらには、森があるおかげで、その水は枯れ葉などが分解された養分に富むものになっています。その水が海に流れ込むことで、魚を育てています。上流の森が豊かであれば、魚の数が増え、漁業も栄えます。そのため、漁師が木を植える、という動きも出ています。
森林がなければ、私たちは、快適な生活をいとなむことはできなくなってしまいます。
【どうして間伐材を使うと環境にいいの?】
かつては、間伐材も様々な木工製品などに利用されていたのですが、現在では間伐材は驚くほど安値でしか取引されていません。そのため間伐にかかる人件費も出ないため結局、手入れをしないままの状態となります。
それでも、きちんと生長した木材が適切な価格で取引されるのであれば、そのための投資として間伐を行うこともできますが、成長した木材ですら驚くほどの安値でしか売れなくなっているのです。
それは、海外から想像を絶するほど安価な木材が流入していることで、国産材の価格が下がり、そのことが日本の林業を圧迫しています。予算が足りずに手入れが適切に行われない人工林では、木は生命力を失い、十分に根を張ることもできなくなり、土砂崩れなどと言う自然災害に繋がるのです。さらに、日本が海外から違法伐採された安価な木材を購入することにより、世界規模の森林破壊、環境破壊という事態になりかねません。
日本は、森林面積が国土の67%を占める森の国です。これらの森から毎年出てくる森林資源は、日本の木材需要の90%前後をまかなえるといわれていますが、実際には20%程度しか利用されていないのが現状です。
国内の森林を守るためにも、世界の森林資源を守るためにも、国産材を使うことが環境破壊をくい止めることに繋がるのではないでしょうか。
私たちも日本の森(熊野の森)の状況に危機感を感じ、間伐材を使った製品を【森からの贈り物】として企画、販売しています。
環境のためにいま何か出来ることはないか?と考えた時に、「日本の森の恵み」を生活に取り入れてみませんか?
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